2 初期の文字使用の実例 

日本語の文字は、中国語の漢字を日本語の「音」の表記として使った「万葉仮名(まんようがな)」から「ひらがな•カタカナ」が発達したと言われています。では、それらの文字はいつごろから使われていたのでしょうか。

実は、それは、考古学の研究分野なのです。

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https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Manyousyu_NukataOhkimi1.jpg ja:User:ReijiYamashina [Public domain], via Wikimedia Commons
まず、「万葉仮名」とは、どんな表記なのでしょうか。この写真は、「万葉集」にある額田王(ぬかたのおおきみ)の歌です。「万葉集」は、現存している日本 で最古の歌集で、7世紀後半から8世紀後半にかけて編まれたと言われています。「万葉仮名」という呼び方は、その仮名遣いが使われている代表作「万葉集」 からきているそうです。この写真の歌も「漢字」だけで書かれていますね。

「熟田津(にきたつ)に船乗りせむと月待てば潮(しほ)もかないぬ今は漕ぎ出(い)でな」

 

 

 

 

京都大学電子図書館サイトで、万葉集の写本を見てみましょう。http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/np/manyo.html

文化遺産オンライン(http://bunka.nii.ac.jp/)では、色々な文化財の写真をみることができますが、ここでは、万葉仮名文が書いてある木簡(もっかん)の中で一番古いと考えられているものを紹介します。2006年に大阪市内難波の宮(なにわのみや)跡から発見されたものです。

 

難波宮跡出土万葉仮名文木簡(なにわのみやあとしゅつど まんようがなぶん もっかん)http://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/207675

関連記事(2006年10月20日)http://www.asahi.com/edu/nie/kiji/kiji/TKY200610200258.html

この記事によると、難波の宮跡で発見された木簡は7世紀中期のものと見られ、「万葉仮名は7世紀後半に成立した」とするそれまでの説を20−30年さかのぼらせたということです。

現在、難波の宮跡は大阪歴史博物館(http://www.mus-his.city.osaka.jp/)になっています。